当初より効能が大変良く、このような不便な場所にありながら、繁栄して参りました。
「戸板に乗せられ来た人が、荷物を持って山道帰る。」とか、「杖をついてやっと歩いた人が、杖をついていたことさえ忘れ、…杖ばかりが、当館に、たまってしまって」…などという話が沢山ありました。
車もなく、当然歩きで、道も今のように広くなく、細い山道でした。
ですからこのようなことは、無くなりましたが、やはり、杖は、よく忘れていくようです。昔通った、山道を中腹まで登ると、庄内平野が一望できる広場があり、そこの木などに、治ったお客様によって、”人助けの湯”という字が、沢山彫られておりました。
全国の病院の医師の方々より、『一生治らないかもしれないが、ひょっとしたら、山形の筍沢温泉に行けば、治るかもしれない。』と言われ、
いらっしゃる方も大勢おります。残念ながら、当館では、その先生方を存知上げないのですが…。
とにかく、現在は、医療の方面からも、”筍沢温泉”は認められてきています。
しかしながら、まだ、湯治治療を止める医師も、少しではありますが、いらっしゃるようです。医療も、商業目的だとするならば、いたしかたございませんが。
このように、当館には、奇跡のような話は沢山あり、書き切れないほどです。それは、決して昔話ではなく、現在の話なのです。
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